リアルお前のものは俺のもの問題
まったくもって今に始まったことではないのですが、今日はなんだか心にもやっと残っているので、この機会にこの問題について書こうかと。
あれ、前も書いたかなぁ。
きっかけは、理科室で仕事をしていて、臨時で理科室を教室がわりに使っている11年生のうちの1人が私に尋ねたこと。
「マダム(先生)、ティーペックス(修正器)、持ってますよね?貸してください。」
問題はいろいろある。
ブンヤでのことをナミビア全般として話すのはどうかと思いますが、たぶんアフリカ全般なんじゃないかしら。
まず、ナミビア人に物を貸すと返ってこないことが多々ある。だからまず物を貸してと言われる時点で、こちらはかなり警戒して嫌な顔をする。しかしこれに関しては理科室内で目の前で使って返させればいいのでクリア。現にホチキスや色鉛筆は11年生によく貸している。
次の問題は、その修正器を使いたいという内容が、成績表であること。普段勉強していて11年生が修正器が必要になることなんてそうそうない。その11年生は誰か先生に頼まれて、成績表の計算をしており、それを間違えた模様。成績表の計算を生徒に頼むことがまず間違っている。それなら、その頼んできたおかしな先生に修正器を借りるべきである。
3つ目の問題は、ナミビア人に何か物を貸した場合に、とんでもない使い方をされる場合がある。ブンヤに来た当初、警戒心がまだなく、USBをある先生に貸したことがある。その際にはまず私のUSBの中身を全てその先生のパソコンに移され、そして何らかの事情で私のUSBを使用したのち、その先生のパソコンから私のUSBにまたデータを戻すという作業をしていた。私のデータは大量なのであり、その作業には多大な時間がかかる。そんな使い方をされるとはいざ知らず、データを戻す最中に私自身が緊急でUSBが必要になり、でもデータを戻しているところだからまだ返せないと言われて、ブンヤで初めて先生にブチ切れた思い出がある。
なので、今回の修正器も、どのような使い方されるのか、警戒した。実際に、どこからどこまで使いたいの?と聞いてみたら、かなりの大範囲である。そんな大範囲に私の修正器は使わせられません。なくなっちゃいます。
4つ目の問題、
これが一番かもしれません。
ナミビアで修正器は超高い。
正確には覚えていませんが、1つ500円くらいだったか、、。
とにかく高い。
あのね、修正器ってすごーく高いって知ってる??ごめんね、貸せません。
とお断りしました。
そして、ここで問題になるのは、
その11年生がいかにも残念そうながっかりした顔、むしろこちらを軽蔑するかのような顔をすること!!!
なぜか???
ナミビアでは(おそらくアフリカ全体なのか?)、良い言い方をすると、シェアカルチャーというものが根強くあります。
みんなで分け合おうよ。と。
なので、例えば誰かが何かを食べていて、他に人がいたら、分け合います。
休み時間にファットケーキをいくつか買って、食べていたら、誰かが来た。そしたら1つあげます。自然に。
私からしたら、自分で食べる用にいくつ必要か考えてきちんと買ったファットケーキは、人に簡単にあげられません。それでは私のお腹が満たされないからです。
でもナミビア人はそういうことは考えないみたい。
例えば、私がお昼時にソビーさんちに行くと、当たり前のように私にもご飯が出てきます。それがシェアカルチャー。
と、書くと、素敵な習慣のように思えます。
いや、素敵です。素敵なんです。
これまでの歴史の中で培ってきた、その習慣はとても良いとは思います。
でも、例えば、実際にあった話、
私が教材を作るために日本から大事に大事に持ってきて、赴任初期はもったいなくてなかなか使えなかった、プロッキー(マーカーペン)セット。
ある日理科室に戻ってみると、アベルさんが勝手に私の引き出しを開いて、勝手にプロッキーを取り出して、勝手にマーカーペンを使っています。
これ、日本から持ってきた超大切なマーカーペンなんだけど!!と言うと、
うん、だから、オシマの大切なものは私の大切なもの。オシマのものは、私のもの。
と平然と言われます。
アベルさんは割と強烈キャラなので、こうやって普通に言ってきますが、他の先生たちや子どもたちも、感覚的にはみんなこんな感じなんだろうなぁと。
だから、私が修正器を貸さないと、あの失望顔なのでしょう。
いやー、シェアカルチャーというのは素敵な面があってそれで嬉しくなったこともたくさんあるけれど、日本人的感覚として場合によっては未だにやっぱり慣れないわーという、ご紹介でした。
結局は信頼関係の問題だと思います。
感覚がそもそも違うと、なかなか信頼関係は築きづらいものだなぁと思います。
ちびっ子、ブロックを運ぶよ、の巻。
おぼろ月夜というのかしら、